作業開始:2016/05/21 掲載:2016/06/02
まずはプラットフォーム、つまりハードウェアとOSを決めたいと思う。
この2つ、どちらが先、というものではなく、たいていの場合同時進行で考えていくものだと思うが、
今回の場合、とりあえずWindowsは無い、というのははっきりしている。理由は
お高いから。
・・・・そんな切実な必要に迫られて設置するわけでもないサーバに、わざわざ1万円超えのOSを奢るほど裕福じゃねぇ、ってのが本音。
Windows環境での録画サーバはすでに経験しているので、建てるのが楽なのは確かだが、べつに楽をしたいわけではない。
というわけでLinux。FreeBSDとかのBSD系でもいいのだが、巷の情報量の多さから言って、やはりLinuxの方が取っつきやすい感じがある。
パソコンというものを長年、それこそCPUがZ80だった頃からいじってきているが、Linuxを含むUNIX系については素人同然である。
初めてLinuxに触ったのはTurboLinux3.0の頃だからもう10年以上昔だし、その後Redhat,Vine,Plamo,Ubuntu,
FreeBSD,NetBSD,OpenBSDなど、好奇心のままにインストールしまくった時期もあったが結局、普段使いのOSはWindowsに落ち着いている。
理由は単純。LinuxにはComicStudioが無いから。
僕にとってパソコンは楽しいオモチャである以上に実用品なので、道具としての使い勝手が最優先である。
「欲しいソフトが無ければ自分で書く」というのももちろんアリだと思うが、そんなに時間とエネルギーが有り余っているワケでもなく、結局
「ソフト書くよりマンガ描く」という結論に至っている。
となると、あえてLinuxをいじる理由は見あたらなくなってしまう。
そんなわけで、明確な目的意識を持ってLinuxマシンを仕立てるのは今回が初めてかもしれない。
・・・う〜ん。「素人が慣れないOSに右往左往した記録」になる予感。
ディストリビューションは・・・なんとなくDebianを選んだ。
N88BASICやらZ80のアセンブラのころからパソコンを触っている身からすると、最近のOSは何かと面倒見が良くユーザとしては楽な反面、
「知らないうちに裏で何かやってる」感じが強い。WindowsはもちろんUNIXでも、立派なGUIを導入している環境ではそんな気がしてならない。
「マイドキュメント」がファイルシステム上のどこにあるのか一目で分からないとか、はなはだしくは知らないうちにOSが入れ替わってるとか。
もちろんほとんどの場合ユーザーにとって有益な動作なのだとは思うが、これを「うざい」と思う(僕のような)偏屈者も少なくないのでは。
こういった機能を「使う」か「すっぱり落とす」か、ユーザーが選択できればよいのだが。
個人的に、Windowsと比べたときのLinuxの最大の利点はこの「すっぱり落とす」ができるところだと思う。
Debianは、インストーラが「かゆいところに手が届きつついらんお節介はしない」感じなのが気に入っている。
メジャーどころなので情報も豊富だし。
OS: Debian GNU/Linux (jessie)
GUIは使わない。
メンテナンスはSSHによりリモート端末から行う。
条件は3つ。
@省電力であること。
A静かであること。
Bスマートカードリーダ(以下「SCR」)を持っていること。
もちろんこのためにわざわざ新品を買うようなことはしない。
・・・いや実は、「ラズパイにカードリーダを組み合わせて」みたいなこともちらっと考えはした。
それはそれで魅力的なアイデアだが、どんどん別な作業にはまっていって戻ってこれなくなる予感がしたので今回は我慢。
手持ちのマシンのなかから条件を満たすものをピックアップすると、2台あった。
Core i3 1.33GHz、メモリ4GB、SCR付きと、スペックは申し分ない。ただガワが出来ていない。スマートカードのガイドも無いので、自分で作らねばならない。
電気的は動作は1年以上前に出来上がっているのだが。
いまだにこの状態。忘れてるワケじゃないんだが、いまイチ気分が盛り上がらないまま塩漬け中。
そもそもこのスペックなら、CUIのみで運用するのはもったいない。普通にGUIを入れて視聴にも使った方がいい気がする。
せっかくHDMI出力も付いてるんだし。
先代の録画サーバ(副)。
パソコンではなくシンクライアントで、VIA Eden 1GHz、メモリは1GBと、今どきなかなかの低スペック。
だがファンレス。しかもSCRは完備。フラッシュメモリをOSのインストール先にすれば、完全無音。
スペックが低いとは言っても、LinuxをCUIで動かす分には不足はあるまい。
とりあえず、こちら
を使ってみることにする。
ただ心配な点がいくつかあって、
(1)こいつのSCRはDebianで使えるか。
(2)録画データはどこに保存するか。
(1)はまあやってみるしかないとして、(2)はどうするか。以前の記事でも触れたが、この機種は補助記憶としてコンパクトフラッシュ(以下「CF」)を
使う仕様になっている。が、いまどきCFは少数派になってるし、容量単価が高すぎる。
記事では2.5インチのハードディスク(パラレルATA)を内蔵する方法を書いたが、SCRを使う場合スペースの都合でこの手は使えない。
大容量のUSBフラッシュ、もしくは外付HDDか。それも悪くはないが、せっかく高度に抽象化されたファイルシステムを持つOSを使うのだから、
データの保存はネットワーク越しにするというのはどうだろうか。もしうまくいかなければそのときにあらためて外付ストレージを考えることにする。