作業開始:2017/06/21 掲載:2017/06/27
音質を改善したいならカートリッジの交換が一番効くと思う。
が、この手の安価なレコードプレーヤではカートリッジの交換は想定されていない場合がほとんど。この「DP−29F」もご多分に漏れず、である。
「もっと良いプレーヤに買い換えれば」では身も蓋もない。あくまで今回は「手軽にできる方法で改善」なのだ。
このプレーヤの出力はLINEレベルである。つまりフォノイコライザが内蔵されている。
いまどき、「LINEレベル」という呼び方にも注釈が必要かもしれない。要はパソコンやアンプに普通につないで鳴らせる信号、ということだ。
あのSNSとは何の関係もない。
イコライザを通さない、生のカートリッジ出力にもスイッチ1つで切り替えられる。
「ON」でイコライザ経由、「OFF」でカートリッジ直通。
余談だが、アナログ全盛時代のプレーヤはカートリッジ直出しが常識で、イコライザはオーディオアンプの側に内蔵されているものだった。
だからアンプの入力端子も、「レコード専用」と「それ以外」があって、両者を間違えてつなぐとまともに聞けない音が出てくることになった。
アンプと信号ソース機器とのインターフェイスが統一されていない、美しくない仕様だが、歴史的経緯からやむを得なかったのだと思う。
ハイファイオーディオというものはレコードの再生を中心に発達してきたのだ。この仕様がデファクトスタンダードとなっていて、
あとから加わってきたカセットテープやCDなどに合わせて見直すのは難しかっただろう。
イコライザ内蔵プレーヤが普通に出回っている、という現在の状況は、アナログレコードが一線を退いたからこそ実現したのかもしれない。
で。
「手軽な方法」として今回目をつけたのはこの内蔵イコライザアンプである。
パソコンにつないでいるので当然、イコライザは「ON」で使っている。値段が値段だけに相当のコストダウンが図られているだろうから、
ひょっとすると改善の余地があるかもしれない、と考えた。
さっきから何の注釈もなく「イコライザ」という用語を使っているが、そもそもそれ何?という方のために。