作業:2014/12 掲載:2015/01/01
この基板を自作PCの素材(マザーボード)として使うにあたっては、
・どの内部コネクタが何の信号(あるいは電源)に対応しているか。
・各基板の結線はどのようにしてやれば良いか。
を知る必要がある。
とは言っても基板上にシルク印刷で説明書きがあるわけでも無し。
何か情報がないかとしばらくネット上をさまよっていたら、こういう記事に出会った。
何とありがたいことに、筐体を開けた状態の写真が載っている。しかもかなりの高解像度。
さらにこの機種のマニュアルも参照し、見当をつけた結果を以下に示す。
5つあるサブ基板のうち2つについては、上記サイトの写真から確認できた。
メイン基板との位置関係は
こんなかんじ。
これじゃ分かりづらいので、筐体内にどう収まっているのかを示すと、
こうなっていると思われる。いわゆる「ノートパソコンの下半身」にあたる部分。
メイン基板とサブ基板との接続にはFFC(フィルムケーブル)が使われている。
コネクタは以下の通り。
FFCのピッチはいずれも0.5mm。
左下は40ピン、左上は20ピン。FFCはいずれも逆面型(両端の導体露出面が互いに裏側になっているタイプ)のようだ。
このサブ基板についてもういくつか。
小さなスライドスイッチが写真左上にあるが、これは外観図からすると、"Wireless
LAN/Bluetooth On/Off Switch" と思われる。
白い小さなコネクタが左上と右下にある。いずれも2ピンで形状は同じ。おそらく、内蔵スピーカへの出力だろう。
ちなみに、裏側にある電極(っぽいもの)だが、
これはどうもICカードリーダの接触子のようだ。
マニュアルの右側面図を見ると、ちょうどこの位置に "SmartCard Slot"
がある。
ガイドをうまいこと作ってやれば、カードリーダとして使えるかも。かなり高精度の加工が求められそうだが。
つぎにボタンが3つ並んでいるこの基板。
同様にボタンが3つ並んでいる箇所を外観図から探すと、 "Tablet PC Buttons"
という部分があった。
その機能はというと
@Ctl+Alt+Del Button
AScreen Rotation Button
BFujitsu Menu Button
とのこと。
この基板はおそらくこれに該当すると思うが、メイン基板に直接つながっているのではなさそうだ。
ピン数(6ピン)が一致するコネクタは、メイン基板上に見当たらない。
残り2つのサブ基板は、マニュアルの図から類推するに「上半身(液晶画面)」の方に付くもののようだ。
メイン基板には直接接続できそうな(=ピン数・ピッチの一致した)コネクタが見あたらないので、上半身は上半身で
制御基板を持っていて、この2枚はそこにつながっているのかもしれない。
用途は説明書の外観図を見れば見当が付く。
まずこの基板。
"Fingerprint Sensor" と思われる。やっぱり。
次にこれ。
"Ambient Light Sensor" のようだ。この機種は周囲の明るさを検知して、画面の照度を自動で増減する
機能を持っているのだろう。真ん中にある白い長方形の素子がセンサ本体。多分。
これら3つについては今のところ、接続の仕方が不明なままということになるが、機能的には必須のものでは無い。
これ以上深追いするのはとりあえず止しておく。
メイン基板をもう少し追求してみたい。基板上にあるコネクタやスイッチの類についてさらに見ていく。
まずこれ。内部の写真から推測するに、「上半身」につながるラインと思われる。
映像信号出力はもちろん、上記3つのサブ基板に行く信号も含まれているかも知れない。
で、これは
まったくの憶測だが、位置・形状からキーボードのコネクタではないかと思う。
経験上、富士通のノートPCのマザーボードでは、キーボードはこの辺の位置(筐体の中心付近)に、
このくらいの幅のフレキシブル基板で接続されていることが多い。
同じくまったくの憶測だが、これは
タッチパッドに行くコネクタじゃないか、と。
この機種はタッチパネル付きだが、この端子はタッチ "パネル" ではない。タッチ "パッド" の方である。
ここにあるスイッチ
は、マニュアルの外観図から "Power/Suspend/Resume Switch" と思う。スライドスイッチだが
動きはモーメンタリ(押すとスライド、放すと戻る)で、ノートPCの電源スイッチとしてよく見かけるタイプ。
S-ATA、VGA、LAN、など標準的なコネクタについては一目瞭然、問題なし。
以上で、この基板を自作PCの素材(マザーボード)として使うのに必要なコネクタ/スイッチの類は大体見当がついたが
あとひとつ、肝心の電源供給コネクタがまだである。またできれば、冷却ファンの電源コネクタも知っておきたいところ。
これらについては形状から類推するしかなかった。いずれも上記で見てきたのとは反対側の面にある。
多分これじゃないか。
電源供給コネクタは、他の信号コネクタに比べてピンが太くなっていることから推定。ピン数は3本となっている。
冷却ファンは・・・まあこんなとこだろう。これもピン数は3本。
今の段階では確定できなくても、動作確認の際にテスタで電圧をあたってみれば分かると思う。
電源供給コネクタについては極性が非常に重要である。テスタで各ピンGNDパターンとの導通をあたってみた結果、
黄色=+19[V]、黒=GND と推定(マーキングは筆者)。真ん中のピンはNCのようだ。
あと、当初から気になっていたのがこのスロット。
マニュアルでは言及されていないようだが、どうもSIMカードスロットのようだ。僕の場合あまり使い道はなさそうだが。
さて。
ここまで分かれば動作確認ができそうだな。