作業開始:2016/05/21 掲載:2016/06/05 追記:2017/01/17
当然、ドライバが必要。ただ今回使用するDebian(jessie)のカーネルにはすでに、PX−S1UDのドライバが組み込まれているとのこと。
こちらのblog記事を参考に、確認してみる。
まずはファームウェアだが、製品付属のCDからWindows機に仮にドライバをインストールし、現れた
%windir%\system32\drivers\isdbt_rio.inp
を
/lib/firmware/
に、USBフラッシュ経由でコピーした。
上記blogではメーカーのサイトからzipファイルを持ってきて解凍し、ファームウェアを取り出しているが、
付属CDの方がバージョンが新しいようなので、あえてこんな面倒なことをした次第。
で、ドライバの確認。
$ lsmod|grep smsusbsmsusb 16908 0 |
確かに入ってる。
素人の疑問だが、
この「ファームウェアをディスク上に置く」のは何のためだろうか。
大抵のデバイスではファームウェアは内蔵されていて、我々ユーザがその存在を意識することはほとんど無い。
ルータやSSDなんかで「ファームウェアのアップデート」を促されて書き換えをするときくらいじゃなかろうか。
地デジチューナの場合、ファームウェアの扱いがちがうのだろうか。初期化時にその都度読み込むとか・・・?
これは僕の認識不足だった。
こちらにあるとおり、現在では「ホストの OS がシステムブート時に、毎回ファームウェアファイルを、デバイスにアップロード」するのが主流とのこと。
基本的な文書をちゃんと読んでないのがバレバレである。
ちなみにファームウェアを /lib/firmware/ に置かないとどうなるか。こうなった。
これはちょっと不安だった。
このカードリーダ、正体が分からないので、Linuxで使えるとか使えないとか調べることも出来ない。
そこで、以前WindowsXPで運用していたときのCF(8GB)をもう一度引っ張り出して差換え、試しに起動してみた。
デバイスマネージャで確認したのがこの図↓。
「PanaSCR7A」 だそうな。
ところがよく見ると、プロバイダとして「Gemalto」の文字が。
カードリーダ業界の事情はよく知らないが、これはけっこうメジャーどころだった気がする。
ドライバファイルはこれ。
というわけで、Linuxでも行けそうな予感。
コンパクトフラッシュを元に戻して、SCR用のパッケージをインストール。
$ su - # apt-get install pcscd # apt-get install pcsc-tools # apt-get install libpcsclite-dev # exit |
"apt-get" コマンドでは、一度に複数のパッケージを指定できるのだが、今回は確認のため1つ1つインストールした。
インストールが終わったら、カードが読み込めるか確認。
B−CASカードをスロットに差した状態で
$ pcsc_scanPC/SC device scanner (以下、メッセージがゴマンと出る)
|
"Japanese Chijou Digital B-CAS Card (pay TV)" と出た。ちゃんと認識されているようだ。
このままカードを抜くと、
Reader 0: Panasonic Panasonic USB Smart Card Reader 7A-Smart 00 00 |
"Card removed" と出た。いい感じ。
この "pcsc_scan" コマンド、何もしなければこのままずっと待機状態になっているので、[Ctrl + C]でシェルに戻る。
SCR、チューナーともにUSB接続なので、USBデバイスとしてどんな風に認識されているか見てみた。
$ lsusbBus 003 Device 003: ID 3275:0080 VidzMedia Pte Ltd ←チューナーPX−S1UDBus 003 Device 002: ID 0411:0110 BUFFALO INC. (formerly MelCo., Inc.) ←/にマウントされているUSBフラッシュ。Bus 003 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub ←スマートカードリーダBus 004 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub $ lsusb -t /: Bus 04.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=uhci_hcd/2p, 12M ←スマートカードリーダ/: Bus 03.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/6p, 480M ←/にマウントされているUSBフラッシュ。|__ Port 3: Dev 3, If 0, Class=Vendor Specific Class, Driver=smsusb, 480M ←チューナーPX−S1UD/: Bus 02.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=uhci_hcd/2p, 12M |
SCRはUSB1.1。このスピードで充分ということだろう。
チューナーはちゃんとUSB2.0。