ケース加工 その@

すでに書いたとおり、形状が標準的でないマザーなので、筐体は自分であつらえる必要がある。
今回、これが一番困難で、心躍らない作業だ。

今までも何度か筐体を自作した経験はあったが、いずれも「こんな形のパソコンがあると面白いな」
という、「形」から発想してのことだった。
今回はあくまでマザーボードから発想して作る気になったので、筐体についてはなかなか
モチベーションがあがらず、しばらく悶々としていたのだが、あるテーマを設定することで
何とか作業にかかる気になった。

テーマとは、「廃シャーシのリサイクル」である。

昔作った真空管アンプのシャーシを流用してしまおう、ということだ。
ずいぶん前にお払い箱にしたのだが捨てるに捨てられず、ダンボールの中で眠っていた。
これを再利用する、という大義名分を得て、ようやくやる気になった。

ずっと心の片隅に引っかかってはいたんだ。場所ふさぎになってるし、ジャマだし。

モノは知る人ぞ知る鈴蘭堂の「SL-20」である。W450×D300×H68 という、結構な大きさ。

真空管とトランスは何年か前に近所のHARD OFFに売却。結構良い値が付いた。
それでペンタブ(Intuos3のA4サイズ)を買った。余談だが。

ちなみに作ったアンプというのはステレオパワーアンプで、
6AU6の3結→12BH7Aのミュラード型位相反転→6B4Gのプッシュプル
という構成だったが、なかなかいい音で鳴っていたと記憶している。

上にカバーなどはかからず、球(真空管)が露出する構造。危険といえば危険なのだが、
真空管の姿がよく見えるので好まれていたスタイルでもある。アンプの動作中にはフィラメントの赤い光と、
管表面の青い蛍光が実に美しかった……が、興味のない方にはどうでもいい話か。

…今気づいたが、「タマが露出する」という言い方はどうなのか。
が、そんなオヤジギャグはどうでもよい。

上板をはずしてひっくり返したところ。抵抗やコンデンサがまだそのままになっている。

今回、この上板は使わない(孔だらけだから)ので、これらの部品もろとも廃棄すればよいのだが、
生来の貧乏性ゆえついつい、部品は丁寧に外してストックしてしまった。

使うのはフレームの方。
加工前の写真は撮り忘れた。

フレームにもスピーカ端子やら電源スイッチやら、いろいろと取り付けるための孔があけてあった。

大きさ調節と、孔あけ加工した部分の除去のため切断。

この2ピースを合わせると


こうなる。

W240×D300×H68。

「合わせる」といってもどうやってこの2ピースをくっつけるのか。それはおいおい触れる。

除ききれなかった孔が2つあるが、仕方ないので後ほどパテでふさぐことにする。

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