作業開始:2016/07/07 掲載:2016/09/10
ハードウェアの準備ができたので、いよいよファーム書き換え。
おっとその前に。動作確認のためにインストールした正規版ドライバやアプリのアンインストールを忘れてはならない。
書き換えのためのツールはこちらにまとめられている。ファイル名は "up0454.zip"。解凍パスワードは「k-an!!」。
ただしこれはあくまでこの個体(S/N:K1002)の場合。シリアル番号によって変わってくるので要注意。
他のシリアル番号を含めたこの機種に関する包括的な情報は、こちらのWikiにまとめられている。
以下はあくまで「今回僕がやったこと」をつらつらと書いてみただけの記述である。
これ重要。というか、やるべきことは全てこのファイルの中に書いてある。僕もそれをなぞっただけ。
ただ今回のインストール先が(このファイルに記述の無い)Windows10(64bit)なので、少々試行錯誤が必要だった。
汎用USBドライバ「WinUSB」をインストールする。インストールするファイルはOSごとに別フォルダに分かれているが、
今回はWindows10(64bit)上にインストールするので、フォルダ "WinUSB_1.7_Vista_Win7_64" を選ぶ。
インストールはこのフォルダ内の "dpinst.exe" を実行するのだが、Windows10の場合このまま単に実行しても失敗する。
実行の前にあらかじめ、「ドライバー署名の強制を無効にする」設定でOSを再起動しておく必要がある。
その方法についてはネット上に情報が多々ある。多くは
(1)テストモードに移行
した後
(2)ドライバー署名の強制を無効化
という説明になっているが、僕の環境では単に(2)をやるだけでOkだった。
(2)の具体的な手順は「ググれは分かる」のだが、概略を書いておくと
@スタートメニューから「設定」→「更新とセキュリティ」
Aウィンドウ左側ペインの「回復」→同右側の「PCの起動をカスタマイズする」で「今すぐ再起動する」
B「オプションの選択」画面(青い!)に変わるので、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
C「再起動」ボタンをクリック。
DPCが再起動し「スタートアップ設定」画面になる。→「7)ドライバー署名の強制を無効にする」を選ぶ(キーボードの「7」を押す)。
やたら手順が多い気がするが、ともかくこれで立ち上がったWindows10は、署名無しドライバのインストールを受け付ける状態になっている。
ここで先ほどの "dpinst.exe" を実行すると、WinUSBが無事インストールできた。
ここでのドライバはチューナとしてのそれではなく、あくまでファームウェア書き換え用のようだ。
仮配線して「R16」「R19」の一端をグラウンドに落とした状態のKTV−FSPCIEを、USBケーブル
で、稼働中のパソコンに接続。
本機は、デバイスマネージャから「USB入力デバイス」として認識されている。なぜ「USB入力デバイス」なのかは知らない。
USBマウスやキーボードと同じくくりなので、画面上には複数の「USB入力デバイス」が表示されている。
それら1つ1つのプロパティを確認していき、「詳細」タブ→プルダウンから「ハードウェアID」選択→「USB\VID_0511&PID_0029&REV_0100」
のデバイスを見つけたら、それが本機である。
本機を見つけたらそのまま「ドライバー」タブからドライバを更新。
「ドライバーの更新(P)」→「コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索します(R)」→「コンピューター上のデバイスドライバーの一覧から選択します(L)」
と来て、「互換性のあるハードウェアを表示」にチェックを入れ、一覧に出てくる「EEPROM
Writer (KTV-FSUSB2)」をインストールする。
インストール後、本機は
「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ」→「EEPROM Writer (KTV-FSUSB2)」
としてデバイスマネージャのリストに加わる。
ドライバのインストールが済めば、ファームウェアが書き換えられるようになっている。
書き換えのためのツールは "fwtool.exe"。前述の "up0454.zip"
を解凍した中に含まれている。
なにはともあれ起動。
接続されている対象デバイス(とは言っても1台しかないが)から本機を選択すると、ファームウェアを読みとって状態を識別してくれる。
ウィンドウのデザインが違ってるのは気にしないで欲しい。
まずは正規のファームウェアを吸い出してしておく。
上記の状態で「File書出」ボタンを押すと「名前を付けて保存」の見慣れたダイアログが開く。
名前を指定して保存する。readme.txtファイルの記述に従い、 ファイル名は
"eeprom.bin" とする。
正常に吸い出せたか確認のため、 "eeprom.bin" ファイルのハッシュ値を確認。
ファイルのハッシュ値を調べるツールはいくつかある。僕はHashTabというソフトを使わせていただいた。
インストールすると、ファイルのプロパティの一環としてハッシュ値を見ることができるようになる。
吸い出した "eeprom.bin" のハッシュ値(SHA-1)は、
「87ff7e081ba974f0a7e60a845d0fa7d566e55946」
で、readme.txtの記述と一致していた。
正常に吸い出せたようだ。
吸い出した「K1002」のファームウェアを「K0905」相当に変更するため、パッチを当てる。
元ファイル=先ほど吸い出した"eeprom.bin"。"fwtool.exe"と同じフォルダに入れておく。
パッチファイル="KTV-FSPCIE.pat" ("up0454.zip" から抽出)。
パッチ当てツール="quickbe.exe" (同)。
"quickbe.exe"を起動。
「ファイル」→「パッチファイル実行」。
出てきたダイアログで、パッチファイル "KTV-FSPCIE.pat" と、
元ファイル "eeprom.bin"の存在するパス(="fwtool.exe"と同じフォルダ)を指定。
で、「実行」。→元ファイルが書き換えられる。
パッチがちゃんと適用されたか確認のため、適用後の "eeprom.bin"
のハッシュ値を調べる。
SHA-1で「3aa40a09aa29fa2966070a76a3b91ad69fa98a30」。
readme.txtの記述と一致していた。Ok。
再び "fwtool.exe" を起動。
「Original書込」ボタンをクリック。
書き込み開始。
"eeprom.bin" の内容を、KTV−FSPCIEのEEPROMに書き込んでくれる。
書き込み完了。
これで本機は「K0905相当」に化けたわけだ。
いよいよ仕上げ。TS抜き対応のためのパッチを当てる。
上記の状態(ファームウェア書き込み完了後)で「Patch書込」ボタンが有効になるので、クリックするだけ。
これでファームウェアの準備は完了。"fwtool.exe" を終了し、本機をパソコンから取り外す。
一応、パソコン自体をシャットダウンしてから本機を外した。