作業開始:2016/05/07 掲載:2016/05/19
「MonsterTV HDUC Gold」という機種である。価格は¥1620(税込)。
中古やジャンクを買うときの常だが、店頭でいきなり見つけたので何も予備知識が無い。
スマホでも持ってりゃその場でさくっと調べるんだろうが、僕は未だにガラケー派である。
‥‥もっとも気になる点。今まで通りの使い方はできるんだろうか。
地デジの信号の流れは
一般的な(お行儀の良い)チューナーの場合、以下のようになる(僕の理解した限り、なので鵜呑みにしないように)。
変調された電波 | ||||
↓ | ||||
チューナーで復調 | ||||
↓ | ||||
MULTI2暗号化されたベースバンド信号 | ||||
↓ | ||||
MULTI2復号‥BCASカードの出番 | ||||
↓ | ||||
平文のMPEG2-TSデータ | → | 専用アプリで HDCP暗号化 |
→ | 視聴‥HDCP対応ディスプレイ |
↓ | ||||
暗号化‥チューナー固有の方式 | ||||
↓ | ||||
録画(ハードディスク等に記録) チューナー固有の形式 CCI付き |
→ | 専用アプリで 外部メディアにコピー |
→ | コピープロテクト付きDVDなど |
↓ | ||||
復号‥チューナー固有の方式 | → | 専用アプリで HDCP暗号化 |
→ | 再生‥HDCP対応ディスプレイ |
こういったチューナーの場合、データの処理は全て専用のアプリで行なわれ、外部からさわれるデータは
チューナー固有の形式で暗号化されたもののみとなる。さらにCCIつまりコピー制御情報が付いていて、
専用アプリを用いて他のメディアへコピーする際にも、所定の制限がかかる。
またファイルサーバに録画データをためといてLAN越しに再生するような場合でも、
DLNA対応が必要だとかの制限がある。
一方、Fr**oやPT*といった、「お行儀のよろしくない」チューナーの場合、赤字の部分はすっぱり省かれていて
変調された電波 | ||
↓ | ||
チューナーで復調 | ||
↓ | ||
MULTI2暗号化されたベースバンド信号 | ||
↓ | ||
MULTI2復号‥BCASカードの出番 | ||
↓ | ||
平文のMPEG2-TSデータ | → | TvTestなどで視聴‥HDCP対応不要 |
↓ | ||
録画(ハードディスク等に記録) 平文のMPEG2-TSデータ CCI付き |
‥‥いわゆる "TS抜き" | |
↓ | ||
平文のMPEG2-TSデータ | → | 一般的な動画再生アプリで再生‥HDCP対応不要 |
MULTI2で暗号化されたデータをひとたび復号したあとは、何も加工せず平文のまま扱う。
CCIも付いてはいるが、データのコピーに専用アプリが不要なので、結果として無視される。
OSのファイルコピー機能を使って単純にコピーすればいいんだから。
"TS抜き"などと言うと何か特別なことをしているかのようだが、こちらの方がプリミティブな形であって
一般的なチューナーの方は、手順が追加されているわけだ。
今まで使っていた「MonsterTV HDU」は一般的な(お行儀の良い)チューナーのはずだが、
有志によってTS抜きを実現するドライバが開発されている。
これによりTvTestなどによる視聴、平文での録画、が可能になっているわけだ。
個人的にはそもそもテレビというものをあまり見ないし、平文だろうが暗号だろうがかまわないのだが、
という理由で今までは、TvTest & TvRock による、"TS抜き"環境で運用してきた。
今までの環境にそのままつないで置き換えが可能か。
家に持ち帰ってから調べてみる。
‥‥結論から言うと、使えない、ということのようである。
ネット上の情報によると、シリアルナンバーの6桁目が「C」「B」ならば可能だが、「D」はダメとのこと。
購入した品は「D」どころか「I」である。うーん。