作業開始:2019/11/04 掲載:2020/02/03
筐体から取り出した本体。さらに開けていくため、側面のビス 〜左右に2本ずつ〜 を外す。
これで背面の鉄製カバーが外れた。
@全体の制御部
Aバックライト用インバータ
B液晶パネルの入力I/F
Cペンタブの制御部
といったところか。
面白いことに、ケーブル一本出しだった外部接続
電源
映像信号入力(DVI−I)
ペンタブ(USB)
は、内部ではそれぞれ汎用品のコネクタが使われていた。
こんなら外部にそれぞれのコネクタを設けてくれたほうが扱いやすかったんじゃない?
ケーブルといいシャーシといい、とにかくアース取りまくり。
ケーブルの外被をわざわざ剥いて、シールドの編み組みを導電テープでシャーシに貼り付けている。
あちこちそんな感じ。これは導電テープを剥がしてみたところ。
シャーシの板同士も。
こんなとこまで。
とにかく「ノイズを抑え込む!!!」という強烈な意思を感じる。
ペンタブレットという、「ノイズに弱い」機器と、液晶ディスプレイという「ノイズを出す」機器を同居させようというのだから、
気を使うのも当然か。
基板をすべて取り外す。
つながってるフィルムケーブルなどをすべて抜いたうえで、止めビスを外せば良い。見た目通りで戸惑うところは無し。
全体の写真は撮り忘れてしまった。
次に、アルミ製のフレームを取り外す。これも側面の止めビスを全部外してやれば良い。
まずバックライトを引き抜く。上下の縁に2本。
やや力は要るが、難なく抜ける。バックライトという部品は半ば消耗品だが、これなら交換も簡単だろう。
使われているのは冷陰極管。
ひっくり返して表面。
黒いプラスチックのフレームを外す。これも側面の止めビスをすべて外せばよい。
液晶本体(写真上)と、バックライトユニット(写真下)の2枚に開く。
ちなみに液晶本体はペラッペラで、パネルの厚みの大部分はバックライト側である。
知ってる人には当たり前のことだが改めて確認。
LCDつまり液晶ディスプレイとは
液晶素子をバックライトで透かして見せることで、画像を表示する装置
である。
液晶という素子自体は自ら光るものではなく、光を「通す」「通さない」の制御しかできないので、
画像として見せるためには光源を別途用意する必要がある。
ようするに、時々刻々絵柄が変化するフィルムをトレス台に乗っけて見ているようなもんである。
このトレス台、画面全体を均一に照らすことが求められる。そうでないと表示にムラが出てしまうから。
光を発する素子は大抵、冷陰極管やLEDアレイといった「線光源」なので、これを「均一な面光源」に変換する。
これこそがバックライトで、それを踏まえて構造を見ると製作者の工夫が見えて楽しい。
以降便宜上、表(表示面)に近い側を「上」、裏に近い側を「下」と表記する。
まず一番上にあるのはマットな質感の半透明シート3枚。それぞれ目の粗さが異なるようで、曇り具合が違う。
表面のザラつき加減。ペンタブの保護シートに良さそうだなー、と思ったりして。
その下には透明なプラスチック板。おそらくアクリルだと思う。
厚み10mmほどある。重さもそれなり。
アクリル板自体は透明だがその下に白色の不透明シートが敷かれている。
ここまでをまとめるとこんなカンジ。
光源(冷陰極管)から放たれた光がアクリル板の中に入り、白色シートによってすべて上方に反射し、
半透明シートで均一に散乱される、といった構造と思われる。